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ネリー「寝言?私は起きてるよ」
今度はきょとんとした表情で首を傾げ、ボケてみせる。
否、単に無垢の表れなのだが、サレを苛立たせるには十分過ぎる。
シング「あれ、ネリーちゃん。俺もしかして空気か?」
ネリー「あ、ごめんシング」
もはや漫才だ。シングにも余裕が生まれていた。
サレ「黙れ、黙れガキ共!」
サレはついに激昂し、ネリーに斬りかかる。だが、感情任せの剣は激しくとも単調。シングとヴェイグに防がれ、サレの方が傷ついていく。
一方、
(あいつのせいで皆が。ここで仕留める!)
ネリー「ハアアアアッ!」
高まる感情、初めて感じる本当の怒り。気合いと共に爆発的な力が立ち上る。
初めて発動させるレディアント・ドライブ。
一時的に体内のマナの出力を最大まで引き上げる。これにより、魔法や気を込めた技の連続使用が可能となる。
ヴェイグとシングも力の放出に気付き、サレから離れ、すかさず、標的を二匹のウルフに切り換える。
ネリーははっきりとサレに狙いを定めた。
ネリー「いくよっ!」
それからは一方的だった。炎、稲妻、冷気、岩。ネリーの全力の魔法がサレを打ちのめした。
ヴェイグ「これ程とはな」
シング「ネリーちゃん、凄いや」
既にウルフを倒していたヴェイグとシングも、驚くしかない。
だが、尚もサレは生きていた。剣は砕け、服はボロボロになって荒い息をつきながら、気力で意識を保っていた。
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