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一方、ネリー達に敗北を喫したサレはヘーゼル村に帰り着いていた。
兵士A「サレ様。そのお怪我は」
サレ「心配する暇があったら、さっさと法術師と軍医を呼べ」
兵士A・B「はっ」
兵士達が去ると、サレは拳を握り締め、
「あのネリーとか言う小娘、ヴェイグ。僕をこんな目に遭わせやがって。次に会った時はなぶり殺しだ」
自力で立ち上がり、占拠している家に入る。服は脱ぐ前にボロボロと落ちる。舌打ちした時、法術師と軍医、兵士長が到着した。
軍医「サレ様程の御方がこれほどの傷を負うとは」
サレ「まあ、教訓になったよ。徒党を組んだ人間は、予想以上に強い時があるってね。
それに、今回は僕自身の油断もあった。少々不覚をとっただけさ」
手当てを受けながら、兵士長に目を向ける。
サレ「星晶採掘を急がせろ。兵士も作業に動員して、明日中に終わらせろ。その翌日に村を撤退する」
兵士長「はっ」
軍医「サレ様、撤退とは?」
サレ「言ったままだが?徒党を組んだ人間は時に手強い。
下手に留まって、いい気になったギルドの攻撃を受けると厄介だ。
それに、星晶の無くなった村などもはや用は無い」
?「ネリーか。おそらくアドリビトムが雇った魔術師だろう」
?「でも、聞いた事のない名前だよ」
?「強え奴はあちこちにいるさ。そいつがヴェイグと組んでサレをボコボコにしたわけか」
2日後、ウリズン帝国軍はヘーゼル村から撤退する。アドリビトムによる採掘地調査はその2日後である。
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