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僕達の闘いは二年前から始まった。
「よし、トドロキ土建で地球を救おう」
幸運の星が宇宙から降ってきて、しかもそれが地球を壊滅させると聞かされたとき、親方は五人の社員にそう告げた。
新米の僕はその時、冗談だと思って本気にしていなかった。しかし、土建の機材を売った金でオランダの海洋工事会社からクレーンを買ったり、国連で危険区域に指定された北極への立ち入りを申請したりするうちに、親方は本気で地球を救う気でいると認識した。
極めつけは北極に機材を搬入するときだった。
「親方ぁ、国連の許可をもらってないってどういう事ですか!?」
船が北極に到着する直前、僕の声は甲板に響いた。
「許可が降りるのに三年かかるって言うからよ。役所の馬鹿共、その頃は地球無ぇっての。で、北極は占拠することにした」
ガハハと笑いながら突撃用の機銃を渡された。さあっと血の気が引いて先輩達に助けを求めると、彼らは既に北極の占拠に取りかかっている。
どこぞの軍人をガムテープでぐるぐる巻きにしている本多先輩に、「これ犯罪ですよね?」と聞いてみた。
「まあ親方だからな。ほら、地球救ったらよ俺達は英雄だぜ」
僕はそのとき腹をくくった。
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