2章 大地殻変動

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『大地殻変動』とは、今から5年前の元化34年に起きた、地殻変動のことである。 地球全体で地殻変動が発生したが、中でも日本での変動幅は他に例を見ないものだ。 しかし、大地殻変動の発生原因は、誰も分からない。 ただ、前触れは富士山の噴火だったといわれている。 後に『元化の大噴火』と名が付くこの大噴火は、元化34年8月15日に発生。 火山の噴火で一番危険である火砕流が東京都内まで届いた。 その大火砕流に加えて高温の火山弾が直撃したことにより、日本の首都機能は大幅に低下した。 当日は終戦の日だったため、国内の要人のほとんどが東京に集まっており、ほぼ全滅だという。 当然ながら、国家非常事態宣言が発令された。 ことわざに例えるなら『泣き面に蜂』である。 富士山の噴火から二日後の17日明け方。 突如大きな揺れが日本を襲った。 どの地震研究者も、国民も、一瞬『東海・東南海・南海三連動地震』が起こったのだ、と思った。
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