§セフレという関係§

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「あの、急いでるんじゃないの…?」 「だからやるんだろ。 ほら、早く化粧して」 そういうことかと納得してバッグを引き寄せ、多少焦り気味に中から化粧ポーチをひっぱり出す。   化粧下地を薄くのばしてからファンデーションを塗っていると……んん? ヘアブラシでロールを作り出すようにブローしはじめた。 もちろん“プロ”とまではいかないけど、男の人がこれをするなんて……。 あまりにも意外であっけにとられ、手が止まる。 「なんか、田原さん手つきいいですね。 手慣れてる感じ」 「女の髪を乾かすのは嫌いじゃない。 昔よく――…」 そこでなぜか区切り、言葉を選んでるような感じ。
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