§セフレという関係§

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「カリスマ美容師に憧れとか持ってたから」 「ふーん…」 別段ひっかかるものもなく、私はまた顔作りに集中。 「じゃ、どうしてその道に進まなかったんです?」 軽く口紅をひき、上下の唇を合わせて力を入れ、離す。  少し鏡に顔を近づけ確認をとった。 うん、いいでしょ。 「さあね、」 マスカラやチークはもういいや。  家に帰るだけだもん。 正直、化粧をするのも省きたいけど帰宅するまでの間、誰かに見られないとは限らない。 玉の輿を狙う私としては公共の場に出る時は常に気をつけている。 チャンスがどのようにして懐に転がりこんでくるかわからないもの。
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