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「ああ、心に穴が開いたように胸が痛い…」
「…(嘘つけ…)」
額に手をあてよろめく仕草なんかしちゃって。
呆れちゃう。
「…かなり芝居くさいですよ?」
体全体で哀愁を表現して同情へと誘引しているよ…。
「…もういいよ」
とはいえ、なかなかいつもの田原さんに戻らずで。
「もう、いつまで拗ねてるんですか」
間違いなく嘘だとは思うけど、仕方なく気にかけてあげることにした。
「田原さんってば、…あっ、」
面倒げに彼の手を掴もうとしたら、その手を逆にとられて。
もう一方の手も軽々一緒に腰の後ろへ持って行かれ、半ば強引に私を自分の方へと引き寄せた。
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