第1話

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隣で静かに本のページを捲る花宮を見て、黒子は諦めを帯びた小さなため息を吐いた。 ずいぶんと前から黒子は花宮の隣の席で読者をしているのだが、花宮は全く気付く素振りがない。 花宮は目の前の本に集中しているため、黒子の存在感はいつもよりかなり薄くなっているだろう。 そうなっては気付かないのは仕方のないことだ。 黒子はそう思い、当初不満だったが今では諦めの境地に達していた。
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