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ページを捲るのはバスケとは無縁そうなほっそりとした白い指。
紙に印刷された文字を見つめるのは冷ややかな眼差しの鋭い瞳。
つまらなそうに見えるが、花宮をしばらく観察していた黒子の目には、僅かな機微を捉えることが出来た。
たとえば、面白いと思えば眉をほんの少し寄せて笑わないように務める。
たとえば、腹立たしいと思えば本を持つ手に力を込める。
別に花宮のことを知りたいと思って観察していた訳ではないが、黒子には数時間で花宮の動作の意味が大体分かってしまった。
読んでいた本も読み終わってしまった黒子は、飽きずに花宮を見ていた。
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