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花宮が本を閉じた。
同じ体勢が長く続いて固まった体を、花宮は伸ばしてほぐす。
そのとき、不意に横を見た花宮の瞳が黒子の姿を映し出した。
「………お前、いつからいたんだよ」
「けっこう前からいましたよ。花宮さんって鈍いですね」
「っ…生意気なガキ。なに、ずっといたとか俺に構ってほしかったのかよ」
「まさか。僕はあなたが嫌いですし、あり得ませんよ。大体、先にこの席にいたのは僕です」
花宮の挑発的な物言いに、黒子は表情を変えずに返す。
故意に木吉の膝を故障させたことや、誠凜のチームメイトにラフプレーを仕掛けたことは、黒子にとっては十分に花宮を嫌悪する要因になる。
それに、花宮のプレースタイルが認められないのだ。
チームメイトと必死に努力をしてバスケをしているプレイヤーを侮辱する行為。
黒子はそれが一番気にくわなかった。
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