第1話

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「それじゃ、オレはもう帰る。二度と連絡してくんなよ」 「あぁ、また呼ぶから待ってろよ」 青峰は軽く手を振ってオレを見送った。 いや、オレを見送るでは語弊がある。 青峰は軽く手を振り、雑誌を見ながら送ったのだ。 やはりアイツは年上に対する礼儀を知らないようだ。 舌打ちをして帰路につく。 空は夕焼けの赤から紫の光に変わる頃だった。 髪に触れると湿っていて、乾いていないことに苛立った。 青峰と一緒にいたくはない。 その気持ちからか、シャワーで濡れた髪が充分に乾かせなかったのだろう。
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