Interview

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私達三人はロケバスで移動し喫茶店で珈琲を飲みながら、『最期の日』をどこで収録するのか話し合っていた。 「スカイツリー。あそこは東京でも一番高い場所ですし……こう、崩れていく都市を映すにはもってこいな気がするんです」 酒井さんが煙草を数本並べ立て倒しながら説明をする。 「確かにそれも悪くないけど、俺的にはちょっとパスっすね。分厚いガラス越しに撮っても良い絵になるとは思えない」 八木さんは腕を組み首を左右に振った。全てが崩壊すれば八木さん愛用のカメラも壊れてしまうというのに、八木さんは少しも妥協しない。 そんな人に毎回撮影されていたのかと思うと、少し恥ずかしくなる。
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