Interview

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慌てて喫茶店を出る。ロケバスから機材を出すほどの時間はない。八木さんはカメラの変わりに携帯を用意し、酒井さんはそれを確認するとサインを出した。 「あのう。何かお困りですか?」 どう声をかけて良いのか分からずに、ゆっくりと近づいた。 「自分、奈緒ちゃんやろ?」 「ほんまや。テレビよう見てんで。直弼はんの孫やろ?」 「ちゃうちゃう。直弼はんの孫の孫の……」 「そんなんええやん。ほんま、直弼はんにはえろう世話になってん。せやから、奈緒ちゃんテレビで見た時はほんま嬉しかったわ」 関西弁でまくし立てられ、尚且つ先祖の名前まで出されては言葉を挟むタイミングがみつからない。
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