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気持ち良すぎて、やってらんないから。
そんな屁理屈を延々、グラグラグラグラ頭の芯で煮詰めながら、
あたしの知らない『彼』で、あたしは、いく。
「あ、ぁ、あ」
ロクに打ち付けられた覚えもないのに、質量が増したのは分かった。
イイところをゆるゆる擦るから、大して揺さぶられてもいないのに腰が砕けそうになる。
「あ、あ、たね、タネ……!」
「そんな声、出すなよ」
やっぱりタネは、――意地悪だ。
『そんな声』出してるのは、どっちだよ。
あっちもこっちも、そんな風に触られたら麻痺しちゃうよ。
全然痛くないのに、痺れて声が枯れそうだよ。
汗だか涙だか分からない液体で額がシーツに擦れてヒリヒリ熱いよ。
それで、やっぱり、あんたは吐き出さないの。
浮上できない真っ白な死の淵にあたしを見送って、
あたしの背中に、焼けつくほど熱い涙を落として、
「――――……」
やっぱりあんたは、留まるの。
一緒に、
なんて
言わないから。
覚めない夜に、ちゃんとあたしを突き落として。
それがダメなら、あたしが。
あたしが、あんたの全部、枯れるまで吐き出させてあげるから。
それまで待っててよ。
だから、
お願いだから。
ただ、傍にいて。
こっそり消えたりしないで。
待ってて、
ほしかったよ。
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