第1話

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目が覚めたら 長い夢を見ていたんだと気づく 何も憶えていなくて 忘れてしまった自分に腹が立つ 本当に腹が立つ 理解できるのは何か大切な夢であったということ ただひたすらに何かに怒りを感じるということ 「獲物はっけーんレルク、ちょっと降りるぜ」 連絡官から聞こえた声に跳び起きる 「おい、獲物はどこだよ」 飛空挺から見えるのは一面の砂と副船長。 「おかしいなオレの勘違いなのか?」 「フクシアお前なぁそうやっt……」 え… 一瞬、人がいるように感じた 「アニキ達、何もないならもう出発しますよ」 確認したくて甲板から飛び降りた 「アニキ?!」 誰もいない居るはずがない 「だろぉレルクもそう思っただろう」 ただの勘違い、だったら良かったのに 《ソノカタナヨコセ》 聞こえてしまった声が 夢の中での事と重なった 《ツイテクルナ》 行かなくちゃならない 「フクシア、お前今日から船長。あいつらの事頼んだって…いない!!」 飛空挺を見上げればそこにフクシアは居て 「行けよレルク、行けばいいさ。こいつら全部オレにまかせろ」 「おう!サンキュな、じゃーなお前ら元気でやれよ」 きっと分かっていた俺もあいつらも ここで別れること また会えるということ。 思い出したい夢がある この声が誰なのか この怒りが何なのか…。
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