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「何かあったの?」
ポツリと聞かれたその質問には
何も答えられなかった。
きっとあんな話をしたら
和成さんは私を嫌いに
なってしまうだろうから。
無言の私に彼は小さく
ため息をつくと
私の肩を抱く手に
微かに力を込める。
「言いたくないなら
今は無理に言わなくてもいい。
だけど奈緒の苦しみを
俺は全て消し去ってやる」
和成さんの柔らかい声が
紡いだ言葉に胸がトクンと
小さく鼓動した。
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