第1話

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どんな顔してそのストレートを放ってきたのかなんて、見たくもなくて。 俯いたまま、最後のボタンを留めた。 「……もう、来ねえよ」 そんなに不快なら。 拒絶は覚悟してたから、伝える気なんてさらさらなかったのに。 その前からフラれちゃってる俺って、一体なんなの。 そりゃセンセーから見たら俺なんて。 ただの患者の1人で。 ただのいきがった生意気なガキで。 ただの…… それ以前に。 男同士、とか。 きっとこの人には、ありえねー。 俺だって。 センセーにハマるまでは、当然そう思ってた。 男同士とか、マジありえねーから。 不快、……か。 「誤解しているようだが」 「は?」 そのまま立ち去ろうと上着を掴んだところを、呼び止められる。 あのどストレートの、どこに誤解のしようがあったか。 まんま言葉の通りじゃねえか。 「不快なのは――」 「ちょ、セン」 な、んだ、コレ。 留めたばかりのボタンが、 「何、して」 外されていく。 「センセ、ちょっと」 この、ヒトの、手で。
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