オオカミ

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崎村さんは私の両手首を壁に押しつけたまま、ポテッと私の肩に頭を乗せた。 「…甘い……やっぱり甘い」 「あ…まい?」 「ああ…文香は甘くて美味しい…」 「は?」 崎村さんは私の肩からフイッと顔を上げ、私を見つめた。 あ…この目 吸い込まれそうな少し茶色い大きな瞳。 一見優しそうに見えるけど、眼光がとても鋭い。 まるで獲物を狙う獣みたい… ・
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