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「フフッ…俺、犬みたい?」
「うーん…どちらかというとオオカミ?」
崎村さんの柔和な雰囲気は、一見、犬っぽい。
だけど、瞳の奥の鋭さが、底知れぬ強さを感じさせるのだ。
凛とした一匹狼を彷彿させる。
「なるほど…うまいこと言うな。
目の前の獲物は逃がさないからね」
顔はニッコリ笑っているけど、目の奥は笑っていない。
ほらね。獣の目。
「狙われてるの自覚してる?
うさぎちゃん?」
「え?」
チュッ!
軽くキスをされた。
やられた!
私はなんだか悔しい気がして、崎村さんを睨んだ。
「あ~!ダメだ!ヤバイ!」
崎村さんは、突然大きな声を出したかと思うと、パッと私を解放した。
あ…
あれ?
なんだろ?
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