オオカミ

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「何?名残惜しい?」 あ…そんな感じだ。 さっきまで力強く抱きしめられていたものだから、突然支えるものがなくなり頼りない。 ちょっと淋しいような、物足りないような… うん。 なんだか言い当てられた感じ。 「あ~反則だよなぁ…」 崎村さんは両手で顔を覆い、天井を仰いだ。 反則って何? 「あの…?」 「あ!文香、携帯!」 「は?携帯?」 やはり、この人の会話は次から次に飛んでゆく。 「携番を教えて? サークルの連絡もあるから」 あ、そか。 私はバックから携帯電話を取り出した。 「じゃ、赤外線で」 「あ、はい」 言われるまま、赤外線通信で携番とメアドを交換する。 ・
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