オオカミ

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「文香、どこら辺に住んでんの? 俺は大通りの歩道橋の傍にあるコンビニの裏あたり」 「へぇ、あそこら辺なんですね。 あたしんちは、その歩道橋を渡って、真っすぐ行ったら、パン屋さんがあるの知ってます? その近くです」 「ふーん…… ねぇ、サークルで文香の家知ってるの、橋本だけ?」 「そーですね。千夏だけです。 だって、あたし、昨日サークルに入ったばかりで… 崎村さんと藤沢さん以外と喋ってもいませんもん。あはは!」 私が笑いながら言うと…、 「はぁ…… やっぱり自覚してないなぁ」 崎村さんは呆れた口調で言った。 「何がですか?」 「狙われてるって自覚。 そんな容易に男に住んでる所を教えちゃダメだよ」 はッ!そーだ!つい… 「ていうか、崎村さんが聞き出したんじゃないですか!?」 「だから、俺はいいの。 他の奴の手には乗らないでね」 崎村さんは私の頭をポンポンと軽く叩いた。 いやいやいや。 あなたが一番危険な気がするんですけど!? ・
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