オオカミ

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「俺の顔は面白い?」 「わッ!」 突然、崎村さんが目を開けて喋ったので驚いて、私はのけ反った。 崎村さんは身体を起こし、頬杖をついて、ニッコリ笑った。 「遅刻…」 ボソッと崎村さんが呟いた。 「あ、すみません。 部室の場所がわからなくて、ちょっと迷子になっちゃって…」 「あ、そーか。部室知らなかったよね」 「誰にも秘密って言ったから、千夏にも聞けなくて…」 「クスッ…きちんと覚えてたんだね。 あの時、ぼんやりしてたから、大丈夫かな?って思ってたけど」 『あの時』というフレーズにドキッとした。 「あれ?思い出した? 顔が赤くなったよ」 真っ赤な顔で立ちすくんでる私を見上げながら、崎村さんは口の端をあげて、不敵に笑った。 あぁ、悪魔の笑顔のほうだ。 ・
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