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優しい朝 #2
「私もお手伝いします!」
シャワーを浴びてさっぱりした私は、ウエストが大きくて、ずり落ちそうなハーフパンツを押さえながら、キッチンへと入った。
将さんがレタスをちぎっていたので、私は手が隠れてしまうスウェットの袖を捲って、包丁でトマトを切る。
「文香、料理できんの?」
「失礼な!これでも自炊してるんですよ」
「お!それじゃ、手料理期待しても良さそうだね」
「任せて下さい。私、お料理好きなんです」
「へぇ、お母さんが料理好きの影響とか?」
私は一瞬言葉が詰まった。
将さんが不思議そうに私の顔を覗き込む。
「…その逆ですね…
だから、自分で出来るようになろうと思って…」
私は笑い顔を作りながら応えた。
…うまく笑えていただろうか
「えらいなァ。俺は全然。
出来るのは、チャーハンと焼きそば、インスタントラーメン」
「フフッ…炭水化物ばっか」
話が逸れて、ホッとした。
それから、二人で他愛もない話をしながら、ブランチを作った。
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