我慢の限界 #2

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瀬里奈さんは、将さんの冷酷な言動にショックを受け、一気に青ざめていった。 「将さん…」 私は将さんの胸をぽんぽんと叩いた。将さんが抱きしめていた腕を解く。 「…あの…大丈夫ですか?」 私は、尻餅をついたままの瀬里奈さんに手を差し延べようとした。だけど… 「大きなお世話よ!!」 瀬里奈さんは、キッと私を睨み付け、一人で立ち上がった。 行き場のない私の手 ああ…やっぱり… 私は敵と見做されるよね 仕方がないか……ガックシ 私は、ちょっと凹みながら、差し出した手を引っ込めた。 「クスッ…お人よしだなぁ」 見上げると、さっきまで凍るように冷酷だったオオカミは、いつの間にか優しいオオカミに変身している。 ・
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