1000人が本棚に入れています
本棚に追加
瀬里奈さんは、将さんの冷酷な言動にショックを受け、一気に青ざめていった。
「将さん…」
私は将さんの胸をぽんぽんと叩いた。将さんが抱きしめていた腕を解く。
「…あの…大丈夫ですか?」
私は、尻餅をついたままの瀬里奈さんに手を差し延べようとした。だけど…
「大きなお世話よ!!」
瀬里奈さんは、キッと私を睨み付け、一人で立ち上がった。
行き場のない私の手
ああ…やっぱり…
私は敵と見做されるよね
仕方がないか……ガックシ
私は、ちょっと凹みながら、差し出した手を引っ込めた。
「クスッ…お人よしだなぁ」
見上げると、さっきまで凍るように冷酷だったオオカミは、いつの間にか優しいオオカミに変身している。
・
最初のコメントを投稿しよう!