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「このまま俺達がいても、この場が白けるだろうし、あんだけ言えば、俺達の邪魔する奴もいないだろうしさ。
じゃあ、皆さん、この後は俺達ナシで楽しんで」
「え?え?えぇッ!?」
私を担いだまま、将さんは大広間をズカズカ歩いていく。
「ちょッ!ま、待って!待って!」
「待たない」
私の制止も、全く聞く耳持たず。
ああ!
完璧、悪魔のオオカミモードだ!
「アーハッハッハ!
文香バカ、やりたい放題!」
周りがア然とする最中、入口付近にいた千夏は、一人で大爆笑。
「崎村さん、先手打ちましたね?」
「まーね。後手は性に合わないからね」
「ち、千夏!助けて!!」
「やだ~!文香に手を出したら、怖いもーん」
「じゃ、あとはよろしく」
将さんが、入口の襖に手をかけた瞬間
「将!合宿中の不純異性行為は禁止だからなー!」
藤沢さんが大声で叫んだ。
将さんの肩越しから藤沢さんを見ると、笑っている。
将さんは、左手をヒラヒラさせて返事を無言で返し、私を担いだまま大広間から出た。
襖を閉めた瞬間、向こう側から悲鳴と奇声が聞こえた。
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