我慢の限界 #2

12/12
前へ
/35ページ
次へ
「このまま俺達がいても、この場が白けるだろうし、あんだけ言えば、俺達の邪魔する奴もいないだろうしさ。 じゃあ、皆さん、この後は俺達ナシで楽しんで」 「え?え?えぇッ!?」 私を担いだまま、将さんは大広間をズカズカ歩いていく。 「ちょッ!ま、待って!待って!」 「待たない」 私の制止も、全く聞く耳持たず。 ああ! 完璧、悪魔のオオカミモードだ! 「アーハッハッハ! 文香バカ、やりたい放題!」 周りがア然とする最中、入口付近にいた千夏は、一人で大爆笑。 「崎村さん、先手打ちましたね?」 「まーね。後手は性に合わないからね」 「ち、千夏!助けて!!」 「やだ~!文香に手を出したら、怖いもーん」 「じゃ、あとはよろしく」 将さんが、入口の襖に手をかけた瞬間 「将!合宿中の不純異性行為は禁止だからなー!」 藤沢さんが大声で叫んだ。 将さんの肩越しから藤沢さんを見ると、笑っている。 将さんは、左手をヒラヒラさせて返事を無言で返し、私を担いだまま大広間から出た。 襖を閉めた瞬間、向こう側から悲鳴と奇声が聞こえた。 ・
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1000人が本棚に入れています
本棚に追加