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「将さん、もう降ろして下さいってば!」
私を担いだまま、廊下をスタスタ歩く将さん。
「…降ろしても逃げない?」
「逃げませんよ。
ていうか、恥ずかしくって、あそこに戻る気も起きませんし…」
「クスッ…なるほど」
将さんは納得したらしく、ストンと私を降ろした。
「これから、どうするんですか?」
「うーん。外に行くには夜遅いし、俺の部屋に行く?」
「…それ、まずくないですか?」
「文香、やらしーなぁ。
俺は智紀の忠告通り、不純異性行為はしないつもりだけど?」
「なッ!あたしもそういうつもりはありません!」
「じゃ、いいじゃん。さ、行こ!」
将さんは意気揚々に私の手を引いて、自分が泊まる部屋へと足を進めた。
…なんだか、うまく丸め込まれた気がする。
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