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「クスッ…スッキリしたーって感じだね?」
「はい!やっぱり、いろいろとモヤモヤしてたから…」
「俺もモヤモヤしっぱなしで、ホントにスッキリした。
あー清々した!」
将さんは、その気持ちを表すように、大きく手を上へ伸ばした。
私もこんなに開放感を感じるなんて、思いの外、秘密にしてることをストレスに感じていたんだなーと実感する。
「将さん…あの…」
「ん?」
「私を庇ってくれて、ホントに嬉しかったです…!」
あの時は、将さんの予想もつかない言動に混乱していたけれど、落ち着いた今、やっと感謝の言葉を口にした。
『文香に手を出したら、容赦しないよ。男でも女でもね。
俺のものだから、傷つけたら絶対許さない』
こんなことを言われて、嬉しくないはずがない。
歯の浮くようなセリフだけど、将さんが言うとドラマのワンシーンのようだった。
「ありがとう…」
私は将さんを見つめ、もう一度めいっぱい気持ちを込めて、お礼を言った。
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