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私は、大学にいるはずのない、余りにも予想外の人がそこにいて、身体が硬直した。
「何で大島がいんのよ!?」
千夏が私の驚きを代弁する。
そう…そこには、私のトラウマの元凶の大島君がいた。
何で…?
「ちょっと、何しに来たわけ!?」
千夏が私を庇うように前に立ち、大島君に言い放つ。
すると、大島君がこちらに近付いて来たので、私はつい後ずさった。
「あ!文香先輩!
俺、もう絶対に触りませんから。
これ以上近づかないから、逃げないで…」
「大島君…どうして、それを…」
大島君は、私の過呼吸症候群のことを知らないはずだ。
「結希さんから聞いたんです。
この間、水族館で倒れた後に、結希さんから連絡があって、文香先輩に絶対に近づくなって…」
「何で、結ちゃんが…」
「あ!それ、新兄だ!
文香が発作を起こしたから、いちおー身内の結希さんに連絡入れたんだよ」
「あ、そっか」
じゃあ、昨日の発作も、結ちゃんは知ってるかもな…
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