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「ふぅー…良かった」
「ん?」
「文香、今、笑ってるから…」
「あ…将さんのしょんぼり姿を想像したら…」
私は、ちょっと恥ずかしくなって、照れながら俯いた。
「フフッ…悔しいなぁ…
あんたの一番とびきりの笑顔を引き出せるのは、やっぱり崎村さんなんだよねぇ」
ちょっとだけ淋しそうに笑う千夏に、私は胸が苦しくなった。
ベッド脇に座る千夏の手に、私はそっと手を重ねる。
「千夏…いつもゴメンね。
千夏には感謝しっぱなしだよ。
あたしが今、笑えるようになったのも、ずっと、千夏が支えてくれたから……ありがとね」
「何よ~!照れるじゃん!
でも、あんたを支える役目も、そろそろ人員強化して、私は後方支援に回る時期かな?」
人員強化?後方支援?
何のことだかさっぱり?
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