854人が本棚に入れています
本棚に追加
「文香!大丈夫!?」
「うぁッはい!大丈夫です!
スタンドライトが頭に当たっただけです!」
将さんがドア越しに慌てた様子で聞いてきたので、私はワタワタしながら応える。
「フフッ…相変わらず、文香はドジだなぁ。当たったところ、冷やさないで大丈夫?」
「…大丈夫…です」
私は、将さんのいつもの優しい声を聞いただけで、ちょっと泣きそうになった。
私は何故、彼を怖がっているんだろう…
いつも優しくて、だけどちょっぴり意地悪で…
そして、いつも私を大切にしてくれた彼を…
こんなに大好きな人なのに、私の胸にはまだ深く矢が突き刺さったままで…
「文香……大丈夫?」
「あ、はい!冷やさなくても大丈夫ですよ?」
「ううん、そうじゃなくて……
俺と話をして……身体は……」
私は将さんが言いたいことが解り、ハッとした。
・
最初のコメントを投稿しよう!