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「将さん!
ナオさんのことも綾ちゃんのことも、誤解なんですよね?」
私は立ち上がって、ドアに向かって、縋るように問い掛ける。
「文香…それは……
その話は、先生や皆がいる時に話すようになってるんだ…」
「解ってます!
解っているけど…!
詳しい話はしなくていいから…
誤解かどうかだけ…
あたし…あたしは、将さんを信じたいんです!」
「ーッ!文香!」
そう。
私は誰よりも彼を信じたいのだ。
誰よりも強く信じたい!
『信じる力が大切なんだ』
今また、この言葉が臆病な私の背中を押してくれる。
そして、あの駅のホームで消え去った決意が再び蘇る。
言おう!
今、言わないときっと駄目だ!
「だって、私は……私は……
将さんが好きだからッ!!」
扉の向こう側へ、私は生まれて初めての告白をした。
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