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「…抱いても…いい?」
「うん」
将さんは壊れ物を扱うかのように、優しく優しく私を抱いた。
ああ…将さんの心臓の音が聞こえる。
鼓動が早い。ドクドク言ってる。
私も同じ。ドキドキしてる。
「将さん…好きです……
私はあなたが好き…!」
私は瞳から溢れる涙とともに、矢が消え去った胸の中から溢れる気持ちを、もう一度言葉にする。
将さんが好き
貴方の大きな手が好き
貴方の意地悪な笑顔が好き
貴方の拗ねてる表情も好き
貴方の強引で我が儘な所も好き
貴方の優しい眼差しも好き
貴方のすべてが
たまらなく愛おしい
「文香…」
将さんがいつものように、優しく私の名前を囁く。
私は将さんを見上げた。
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