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バタン!!
「文香!!」
千夏が焦った様子で、部屋へ入ってきた。
私は息苦しさを感じながらも、千夏がすぐに傍に来てくれたことにホッとする。
「崎村さん!紙袋持ってきて!!」
千夏がドアのほうへ向かって叫んだ。
そっか…将さんちだもんね。
将さんもいるよね…
「橋本!」
ドアの向こう側から将さんの声が聞こえ、ドアから紙袋だけが飛んできた。
将さんの姿は見えない。
私はいらなくなったから、顔も見たくないのかな…?
「ほら!紙袋、口に当てて、呼吸して」
千夏が紙袋を私の口元に持ってきたので、私は千夏に従い、紙袋を口に当てる。過呼吸の基本的な対処法だ。
「ハア…ハア…ハアー…ハアー…ハアー…」
段々と呼吸が落ち着いてくる。
「あはは!今日は間に合った!
あんた、紙袋を出す前にいつも気絶するから、大変なんだもん!」
千夏が笑顔でクレームを言う。
うぅ…いつも、すみません…
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