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夢と現実 #2
「びょ…いん?」
「ううん。大学の保健室よ」
ああ…そっか。
ダメだな、私また…
「だから、誤解なんだ!
あれは不意打ちで!」
カーテンの向こうから、大きな声が聞こえた。
「将…さん?」
ジャッ!!
私が将さんの名前を呟いた瞬間、私を取り囲んでいたカーテンが開いた。
「文香!」
そこには、将さんが焦った顔で立っていた。高峰先生に肩を捕まれて…
何?どういうこと?
目覚めたばかりの私は、どういう状況なのか把握出来ない。
「だから、今は駄目だ」
高峰先生は落ち着いた声で将さんに告げる。
「文香にきちんと誤解を解きたいんだ!そうしないと…」
こんなに焦っている将さんを、私は初めて見たかもしれない。
私はまだぼんやりとする頭で、そんなことを感じながら、将さんを見上げる。
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