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綾ちゃんについて行くと、美術部の部室に連れて来られた。
「よく…ここを知ってたね…」
私が、散々迷って初めてこの部室に辿り着いた、あの日をふと思い出す。
「フフッ…崎村さんが連れてきてくれたことあるし」
「そう…」
「何よ?驚かないの?」
「うん」
「アタシ、あの人に誘われて、ここに来たのよ」
綾ちゃんは、やっぱり私を蔑みながら笑ってる。
ああ…まただ……
私は、綾ちゃんを見てて、また何とも言えない寂しい気持ちになる。
「綾ちゃん…嘘ついてて楽しい?」
「なッ!アタシが嘘ついてるっていうの!?」
「うん。だって、嘘でしょ…」
「フン!何でそう言い切れるのよ!」
「あたし…
将さんを信じてるから」
私は、ポケットから携帯を取り出し、イルカのストラップを握りしめ、綾ちゃんをじっと見据えた。
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