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バタン!
「俺も文香と同じ。文香は俺のかけがえのない大切な人だよ」
「将さん!!」
部室のドアが思い切り開いた大きな音に振り返ると、将さんが肩で息をしながら立っていた。
「はぁー…やっと見つけた。
まさか、ここまで奥に来てるとは思わなくて…
灯台もとぐらしだな…ふぅー…」
将さんはズカズカと部室に入って来て、私を後ろから抱きしめ、頭を私の肩に乗せて、大きく深呼吸した。
重たい雰囲気なぞ全く構わず、周りを無視して、当たり前のように私に抱き着いた将さんに、皆、呆気に取られている。
将さん…キツそう
部室は大学の一番奥にあるから、凄く捜したんだろうなぁ…
ん?捜す??
ああッ!
あたし、携帯かけるのすっかり忘れてた!!
「あのぉ…捜しました?」
私は恐る恐る聞くと…
「佐々木さんから報告受けて、すぐに橋本も俺も店飛び出しちゃったままだから、智紀はお冠だろうねぇ…」
「ああぁ~…」
また、やっちゃったよ…ハハハ
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