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本命の彼女 #2
「綾ちゃん……間違ってるよ…」
私は胸が張り裂けるくらい痛くなって、堪らなくなる。
「あたしは……あたしは、綾ちゃんにあげたりしてないよ。
全部、綾ちゃんが無理矢理奪い取って行くんだよ」
「だって、綺麗なアタシのほうが似合うんだもん。
文ちゃんの物はアタシの物なのよ!ママもいつも言ってるじゃん!!」
そうだね…
お母さんはいつもそう言ってた。
だから、いつも私のお気に入りの物も、躊躇わず私から取り上げて、綾ちゃんにあげた。
だけど、お母さん…
お母さんは、今の綾ちゃんが…
本当に綺麗だと思いますか?
「綾ちゃん…将さんは物じゃない
あたしの大切な大切な…かけがえのない人だよ。
あげることなんて出来ない!!」
私は立ち上がり、私の気持ちを綾ちゃんにぶつける。
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