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姉と妹 #2
「おい!それは…」
「コイツがまだガキだからって、また教えないわけ?」
結ちゃんが将さんを遮ろうとする上から、将さんが言葉を重ねる。
「どんなにガキでも、駄目なものは駄目なんだ!
どうして、あの時、それを教えてやらなかったんだ!
教えないから、コイツは人を傷つけてる自分の痛みさえ気がつかないんだ!!」
将さん…
貴方は解ってるんだね
私の痛みも、綾ちゃんの痛みも…
そして…結ちゃんの痛みも…
「ねぇ…病気って何のこと?」
綾ちゃんが怪訝な顔で聞く。
「文香は…文香はあんたのせいで、病気になったのよ!」
「だから、どういうこと!?
ねぇ!結ちゃん!」
千夏が責めると、事情が飲み込めない綾ちゃんは、結ちゃんの腕を掴み、詰め寄った。
しかし、結ちゃんは苦渋の表情で俯いている。
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