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「心因性が原因の過呼吸症候群という病気よ。
大島との件が発端で、過度なストレスが掛かると、呼吸困難の発作が起こるようになったのよ。
あんたはまだ子供で、自分が原因だと知ればショックを受けるだろうからって、秘密にしたって」
千夏は応えない結ちゃんの代わりに、綾ちゃんに私の病名を教えた。
「だけど、アタシ、この際だから、言わせて貰う!
アタシも崎村さんと同じで、綾乃に教えるべきだと思うから!」
強い眼差しで、千夏は綾ちゃんを見据える。
千夏…まさか…?
「文香は長年、綾乃とお母さんに虐げられて、限界だったのよ。
なのに、あんたは文香の目の前で平然とあんなこと…!
大島君との件の直後、文香が入院したの覚えてる?」
「千夏…ダ…メ…」
それ以上は…言わないで…
「あの日、長時間雨にうたれて肺炎になったからって理由だったけど、それだけじゃない……」
「千夏!ダメーーッ!!」
私は千夏にしがみつき止めようとしたけれど、千夏は怯まない。
そして…
「文香が衝動的に自殺しようとしたからよ!!」
隠し続けていた過去を吐き出した。
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