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千夏の告白に誰もが言葉を発することがないまま、千夏にしがみついていた私が、そのままズルズルとへたり込む布擦れの音が響く。
「じ…さつ…?」
綾ちゃんがたどたどしい声で聞き返す。
「そうよ…
未遂で無事だったけどね…
だけど、入院中の文香も精神的に情緒不安定で、『私はいらない子だからごめんなさい』って呪文のように繰り返してた…!」
「千夏…もういい……もういいから!」
私は座ったまま、千夏の足元にしがみつく。
それを将さんが私の肩を掴み、抱きしめながら、引き離した。
「あんた達にあの痛々しい文香の姿を見せてやりたかったよ!
だけど、ショック状態の文香に、家族との面会をさせることは危険だった。
本来なら支えになるはずの家族が、1番のストレスなんだから!」
千夏は涙を流しながら、結ちゃんと綾ちゃんに、激しく言い放った。
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