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数時間前まで一緒にいた彼女は大丈夫だろうか。
物陰から飛び出していった彼女は、少女を逃がす為の囮になると言っていた。
少女が彼女に背を向けて走り出したすぐあとに無数の銃声のようなものがしたのだ。
信じたくはないが、彼女はもう・・・・・・。
ならばせめて彼女から託された“モノ”だけは守り抜こう。
刹那
急速に奴等の気配が強まった。背後からか、重い衝撃が後頭部に走った。
景色が傾ぐ。
転がるように地面へ倒れこんだ。
視界には平坦なコンクリートにだんだんと広がってゆく紅の水溜まりのようなもの。
ただひろがってゆく、紅、紅、紅。
薄れゆく意識の中で奴等の存在感はどんどん大きくなっていって・・・・。
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