心許ない足元

3/26

709人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「お前、アイツに騙されてんじゃねーの?」 「は?」 「あのイケメン、ホストか何か?」 「はぁッ!?ち、違うよ! 普通の会社員だよ!」 横山君が、突然、失礼極まりないことを言い出したので、私はつい声を荒げる。 「あんな公衆の面前でキスするような奴が、普通の会社員だって?」 「そ、そうだよ! ちゃんと、あそこのR=Dの社員やってるわよ!」 「R=Dだって!?」 「そ、そうよ!」 私は将さんの去って行った方向を指差し、反論する。 「あんな男前で、エリートって… お前、アイツに貢いでるとか?」 「なッ!」 「それか二股とか?セフレとか?」 「んな訳ないでしょ! 同棲までしてんのにッ!!」 「同棲!?同棲してんのか!?」 「あ~…うん…」 しまった! 売り言葉に買い言葉で、ついペラペラと… 横山君は余程驚いたのか、絶句したまま呆然としている。 ・
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

709人が本棚に入れています
本棚に追加