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噂 #2
真実と推測が混然となり、まことしやかな噂となって、一人歩きしていく。
私は経験で、そのことを痛いほど知っいる。
でも、まさか…会社に入ってまで、こんなことになるなんて…
私は三人の話に、ただただ呆然とするばかり。
「おい。まだ続きがある」
「え?まだ?」
古賀主任は厳しい顔をしている。
「実は、昨日の残業中にうちのフロアの人が、横山君にからかい半分で聞いたんです」
「なんて…?」
寧々ちゃんの言葉の続きは、聞いても一つも良いことはないと解っているのに、聞かずにはいられない。
「『三田ちゃん、彼氏いんだろ?キスしてたらしいぞ』って」
からかい半分でも、何て悪趣味なことを…
「そしたら、横山君が
『ホントにキスしてたのは、誰でしょうね?』
って、余裕の笑みで返して…」
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