噂 #2

1/27
652人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

噂 #2

真実と推測が混然となり、まことしやかな噂となって、一人歩きしていく。 私は経験で、そのことを痛いほど知っいる。 でも、まさか…会社に入ってまで、こんなことになるなんて… 私は三人の話に、ただただ呆然とするばかり。 「おい。まだ続きがある」 「え?まだ?」 古賀主任は厳しい顔をしている。 「実は、昨日の残業中にうちのフロアの人が、横山君にからかい半分で聞いたんです」 「なんて…?」 寧々ちゃんの言葉の続きは、聞いても一つも良いことはないと解っているのに、聞かずにはいられない。 「『三田ちゃん、彼氏いんだろ?キスしてたらしいぞ』って」 からかい半分でも、何て悪趣味なことを… 「そしたら、横山君が 『ホントにキスしてたのは、誰でしょうね?』 って、余裕の笑みで返して…」 ・
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!