長靴を履いた猫 #2

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長靴を履いた猫 #2

「難癖ですって!? そっちがまともなデザインを出さないからでしょ!?」 「やめろ!秋吉!!」 「そっちこそ、まともに仕事する気あんの? ふー先輩をやっかんで、打ち合わせの度に、あーだこーだ言って、困らせてるだけでしょ!? 公私混同すんじゃないわよ!」 「寧々ちゃん!やめな…」 「誰がやっかんでるっていうのよ!こんな性悪な二股女!!」 バチン! 会議室に乾いた音が響き、誰もが驚き、固まった。 なぜなら… 安井さんが秋吉さんを平手打ちしたから。 「安井…さ……」 「あ…すまん……つい…」 叩かれた左頬を手で押さえ、信じられないという表現をしている秋吉さん。 安井さんも、自分自身の行動に驚いたのか、茫然としている。 私も自分が侮辱されたことより、安井さんの平手打ちのほうが衝撃的で、動けなかった。 ・
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