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それから、桜さんとサトさん手作りの絶品デザートを食べつつ、皆で楽しく語らった。
そして、しばらくして、将さんはまだ庭の手入れを続けているタクさんの手伝いをしてくる、と庭へと出て行った。
サトさんも他の家事をするために席を外し、リビングには私と桜さんだけになった。
「将ちゃん…本当に感情を素直に出すようになったわ」
「え?」
庭先でタクさんと笑顔で楽しそうに作業している将さんを窓越しに見ながら、桜さんが呟いた。
「文香ちゃんのお陰ねぇ…」
「いえ!あたしは何も…」
「ううん…文香ちゃんの影響は大きいと思うわ。
将は、ちょっと特殊な環境で育ったものだから…
変に大人びた子供で、何を考えているのか解らない子だったもの」
「特殊な環境?」
桜さんは手を頬に添え、溜息をついて、寂しそうに微笑んだ。
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