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「ブッ!何してんの?…クックックッ」
「いや、あの!恐れ多くて!」
「アハハハ!ムードないなぁ!
あーもう、このうさぎちゃんは無敵だ!」
大笑いしながら、将さんは私をガシッと抱きしめた。
「それに恐れ多くなんかないよ。
俺、一円も出してなくて、その指輪タダなんだし?」
「そ、そんな!!」
いやいやいや!
貴方のお母さんの形見ですよ!?
「それに、指輪も待ちくたびれてたんじゃない?」
「え?」
指輪が待ちくたびれるって、どういうこと?
私が不思議に思っていると
「俺は三年前のペアリングを渡した時には、もう絶対、この指輪を今日渡そうと決めてたんだから」
「ええッ!?三年前!?」
さらりと言った将さんの言葉に、彼の腕の中で、いまだに自分の左手を右手で支えるように握ったまま、跳び上がった。
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