赤い薔薇

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「フッ…わかってないなぁ…」 「え?」 「相変わらず、無自覚なんだから…」 「またッ…!」 無自覚って!! 私がむぅっとむくれると、将さんはふわっと私の腰を引き寄せ、薔薇を持っていた私の右手に蕾を持った自分の手を重ね合わせる。 「文香こそ、どれだけ俺を骨抜きにするの?」 「へ?」 「俺がどれだけ文香にドギマギしてるか、わかってないでしょ?」 「ドギマギって…」 私のほうが、いつもドギマギしてるんですけど… 「文香のやることなすこと可愛すぎて、俺を虜にしてるのに、文香自身がわかってないって言ってるの」 耳元で甘い声で囁かれ、私の身体がビクッと反応する。 「ほらね」 「やッ…」 耳を甘噛みされて、電気が走ったように背筋がのけ反る。 ・
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