718人が本棚に入れています
本棚に追加
「フッ…わかってないなぁ…」
「え?」
「相変わらず、無自覚なんだから…」
「またッ…!」
無自覚って!!
私がむぅっとむくれると、将さんはふわっと私の腰を引き寄せ、薔薇を持っていた私の右手に蕾を持った自分の手を重ね合わせる。
「文香こそ、どれだけ俺を骨抜きにするの?」
「へ?」
「俺がどれだけ文香にドギマギしてるか、わかってないでしょ?」
「ドギマギって…」
私のほうが、いつもドギマギしてるんですけど…
「文香のやることなすこと可愛すぎて、俺を虜にしてるのに、文香自身がわかってないって言ってるの」
耳元で甘い声で囁かれ、私の身体がビクッと反応する。
「ほらね」
「やッ…」
耳を甘噛みされて、電気が走ったように背筋がのけ反る。
・
最初のコメントを投稿しよう!