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「ん?ああ…そだね…」
将さんは私の首筋に舌を這わせながら、薔薇を手の中からテーブルの上に置いた。
私は甘い吐息を吐きながら、目線で薔薇を追う。
ガラスのリビングテーブルには、重なって置かれた二本の薔薇。
『あなたを愛しています』
『あなたに尽くします』
二つの気持ちが重なっているようで…
ああ…あんな風に…
一生、二人で仲良く寄り添って生きていけたらいいな…
ふわふわする意識の中、ぼんやりと考えていたら…
「文香…」
不意に名前を呼ばれ、上気した顔で将さんを見上げる。
「赤ちゃん…」
「え…?」
「赤ちゃん、欲しい?」
「は?」
唐突な発言に、朦朧とした頭の中がついていかない。
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