赤い薔薇

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妖しく微笑む将さんによって、私の疑問は塞がれて、声にすることができない。 「…ふっ……ンあ……」 身体中を這う刺激に、私の声はすべて甘い吐息に変換されていく。 絶え間無く与えられる快感の波は、容赦なく私を翻弄する。 「文香は一生俺のもの…だからもう、我慢しない…」 将さん… どうしよう…いつもと…違う… 息も絶え絶えに、私はその波に溺れていく。 熱く、荒く、激しく…いつもとは違う、私の全てを貪るような強い欲情に身も心も狂わされていく。 「文香…俺の全部を受け止めて…」 「将さっ…!」 ああ…もうダメ… 「赤ちゃんと結婚式、どちらが早いかな…フフッ」 私の意識が薄れゆく中、妖艶な悪魔のオオカミは、嬉しそうにそう呟いていた。 ・
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