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私は、なにもかも見透かしているような東さんの発言に真っ赤になった。
東さんの言う通り、言ってしまってもいいのかな…
躊躇う私を後押しするように、東さんは私を見て頷いた。私もゴクンと喉を鳴らし、覚悟を決めて頷き返す。
そう…私はいつも右薬指につけているイルカのペアリングを、今日、左薬指に付け替えた。
それは…
「あの…
エンゲージリングの代わりです。
まだ正式ではありませんが、婚約したので…」
シーン……
一瞬、時間が止まったかのように静寂に包まれる。
が…
「きゃーーっ!
ふー先輩、おめでとー!」
「うわッ!」
寧々ちゃんの叫び声が私の耳元でキーンと響く中、寧々ちゃんがガバッと抱き着いてきた。
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